席替え

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電話を切って、先ほどの会話をお父さんにそれてなく話す。 赤信号で、車がゆっくりスピードを落としていった 静かな車内 沈黙を破ったのは自分だった 「新人戦、負けちゃった。」 「頑張ったんだろう?」 「うん、だけどさ…」 お父さんは私から言うのを待っていてくれたのだろうか。 その後に話したのは親の仕事のこととか、部活のこととか 沢山、話したいことがあって たまにしか会えないから話せることばかりで そんな父に感謝してるし 母ともこうして一緒に食事したり買い物したいと思う。 「これ美味しい、」 2人でキノコとほうれん草とベーコンのクリームパスタと なんとかピザとサラダを食べ分けた。 「意外とお腹いっぱいだわ。」 「それは何より。」 父が学生のとき野球部だったことを聞くと少し違和感があるのは 自分が知ってるのが スキーとバレーをやってる父だけだからなのだろう 少年野球を始めたのは兄の影響だった 父とも時折キャッチボールをした 今思えばもっとキャッチボールしておけば良かったと思う。 今もしようと思えばできるけれど、 今はキャッチボールよりマッサージしてあげるほうが親孝行になるはずだから 「本屋には寄るか?」 「ううん、今日はいいよ、」 「そうか、」 「うん、それに今から帰っても9時過ぎちゃうでしょ。」 「まぁ、な、」 多分、明日も仕事がある 多分じゃない。絶対だ。 それでも、父や母は自分のために時間を作ってくれる 「ねぇ、」 「うん?」 「ありがとう。」 たまにはちゃんと言ってみようと思った。
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