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【一途な乙女の狂った回想】
乙女が彼に出会った場所は学校の図書室だった。
なんともベタな展開。
身長が足りずに届かなかった本を取ってくれたのがキッカケだった。
乙女は彼に恋をした。
それから乙女は毎日図書室に通った。
何故なら、図書室に行けば彼がいるから。
乙女は彼の笑顔が見てみたかった。
何故か彼はいつも真顔だったから。
乙女は彼の前でたくさんの話をした。
名前、誕生日、血液型、趣味や休日の過ごし方。
彼の事も聞きたくてたくさん話しかけた。
それでも、彼の表情が変わることはなかった。
だけど一度だけ、一度だけ、表情が変わった。
一瞬だけ彼が眉間に皺を寄せた。
乙女は嬉しかった。
ポーカーフェイスな彼が、
私を見て表情を変えてくれた。
あぁ、嬉しい。
きっと今日はいい日になるわ。
だって彼が表情を変えてくれたんだもの。
盛大にお祝いしなくちゃ!!!
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