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「な、何笑ってんだよ!!」
男は喰の笑い声に恐れを持ったが、その恐怖を振り払うかの様に声を荒げた。
「わ、悪い…ククッ…
お、俺を目の前にして…クククッ……お前ランクの奴が…クッ…今まで殺すとか……プッ…言った奴いなかったからよ…クククッ」
「ぶっ殺す!!!」
どうやら喰は、無意識の内に男の逆鱗に触れた様だ。
「お?お?」
男の姿が段々と薄れてゆき、最終的に男は見えなくなってしまった。
「お?
見えなくなったな…」
喰は一瞬だけ驚いたが、直ぐに冷静になり、分析する。
「足音はしねぇ、気配は動いてない、服が脱ぎ捨ててある
透明になる能力か?」
何故服が脱ぎ捨ててあるのかは一切考えず、さっきまで男が立っていた場所に拳底を打ち込む。
が………
「手応えが無い?」
すぐ、その場から離れた喰。
その腕には、何かで斬られた様な跡があった。
「……ただ透明になるだけじゃないっぽいな」
「ハン!
そんな単純な能力の訳があるか!
俺は風になるんだよ!」
自分の能力をバラした男。
「………自身を風にする能力か
強そうな能力だが、それなりのリスクは負うはずだ」
「な、何でお前が俺の能力を知ってんだよ!?」
どうやら、自分でバラしたと言う自覚は無い様だ。
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