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今日は駅で待ち合わせ。彼女ちゃん、きてくれるかな。あれはやっぱり夢じゃないだろうか。あんなにうまく行くはずないし、こんな自分がそう簡単に彼女ができるなんて。うん、やっぱり夢かも。時間までに来なかったら帰ろうかな。…そんなことばっかり考えてた。そしたら時間ぴったりに見覚えのある、僕の大好きな女の子が前から走って来る
「か、彼氏くん!ごめん、ずっと待ってたの…?」
息を切らして一生懸命話す彼女ちゃんが大きく肩を揺らしながら僕を見上げた。夢じゃなかったんだ。今日僕は、デートできるんだ。
「えっと…いや、来たばっかりだよ。今、ちょうど。」
「ほんとに?あーよかった!彼氏くん帰っちゃうかと思って…。へへ。」
待ち合わせしたのはいいけど、僕はなにも決めてなかった。駅まできてどこに行くのか、何をするのかも。
「えっと、どこ行こうか?」
こんなこと僕がちゃんと前から調べとけば良かったのに。ほんと、情けない。
「私ね、駅前の新しくできたアイス屋さんに行きたかったの!彼氏くんと行きたかったんだー。」
「あ…そうなんだ、じゃあ行こうか。」
彼女なんてできたことがなかった僕はその言葉に従うしかなかった。
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