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「それでね!あの時田中さんがねー…」
彼女ちゃんは相変わらずおしゃべりが大好き。口下手な僕はそれを聞きながら溶けかけのアイスを口に運ぶ。彼女ちゃんのアイスも徐々に溶け始めていた。
「彼女ちゃん、アイス溶けちゃうよ?」
「えっ?あー、ほんとだー。私ってばしゃべりすぎ?あはは…。ごめんね、私ばっかりしゃべって。彼氏くんに会うの嬉しくて。久しぶりに会ったし。でもね、ほんとこうして2人で出かけるの嬉しいんだ!」
そして彼女ちゃんはいつでも素直で、屈託のない笑顔で昔から僕にいろんなことを話してくれた。自分で言うのもなんだけど、ほんとに好きでいてくれたんだなと思う。
「ううん、僕も口下手だし。彼女ちゃんのそういうとこ、ずっと好きだったんだ。」
「…?!、す、好きとか、その…は、恥ずかしいよ!」
急に赤くなって慌てふためく。こんなに慌てる彼女ちゃんを初めて見た。僕も急に恥ずかしくなって照れる。当然付き合って間もない僕らはぎこちなかった。だけどそれでもよかった。こんな穏やかな時をゆっくりと過ごしながら、駅周辺で買い物したりしていた。一緒に過ごすうちに、もっと彼女ちゃんのことが好きになっていくのがわかる。この先もこんな風に過ごしたいと思う。もっとこの子を知りたいと思う。
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