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「ねぇ、圭助。あいつの泣きそうな顔見た?」
「あいつ?」
「ユーレイのことよ!
実はここだけの話、ユーレイの机の中にあったものぜーんぶあたしが掃除用具入れに隠したのよ。」
「何処の?」
「ん~と…、倉庫の方にある今は使われてない用具入れよ。
でもどうしてそんなこと聞くの?」
「え、いや…特に理由はねぇよ。」
やっぱり、伊藤が仕組んだものだった。放課後になってオレは一人、倉庫の方へ行った。この倉庫は不要なものになった机やイスを保管しておく場所になっており、すごくホコリっぽかった。
中に入って掃除用具入れを探す。それはすぐに見つかった。あの子がまだ帰っていないことを祈りながら教科書、ノート、ペンケースなどを拾いホコリを払った。
多少、綺麗になったものを持ち教室の中へ入る。もう17時過ぎなので生徒はいなかった、彼女も。でもカバンはあるのでまだ学校内にはいると分かったが、これをどう説明すればいいのか分からなくなった。オレは、分からないまま立ち往生していると渡部さんが教室に入って来た。
「あ。」
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