第1話クリームパンと苺牛乳

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朝日が昇り眩しい光が差し込んで来る。まだ寝足りない体を起こし目をこする。 「ん…。」 私の名前は渡部 愛子、高校2年生。今日は久々の登校です。私は特に急がなくても良いのでゆっくりと自分のペースで制服に着替える。髪の毛が腰まであり、前髪も目が隠れる程長いので、いちいち振り払って支度をしなくてはいけない。 着替え終わればリビングへ行く。母が作り置きしてあるご飯を口にする。これが私の一日の始まり。 「行って来ます。」 誰もいない家に声を掛け学校へ向かう。 歩くのは好き。何故なら、自転車や電車と違って見えるモノが変わるから。曜日によって捨てるゴミや量が違ったり、気分を変えてジョギングをしている人がいたり…。 私は他人がどんな朝を迎えどんな風に今日を過ごすかを想像する。いわゆる、人間観察者なのだ。だからと言って、それを何処に応用するわけもなくただ見ているだけ。 私はそれだけで"しあわせ"だと感じるの。 「おはよー!」 人はみんな挨拶をする。でも私はしない。だって面倒だから。今は技術が進歩しているからケータイという機械でメールをすればそこでも挨拶をする。 直接、言葉を発しないから便利だけど私は持ってない。機械が苦手だから。 .
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