第2.5話君とチョコ

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「さ…「さぁ、暗くならないうちに帰る。」 背中をズイズイと押され保健室から出される。オレはどうしていいか分からず、うだうだしていると渡部さんが急に歩き出した。オレは慌てて彼女の後をついて行った。それはまるで子犬のように。 互いに無言のまま歩く。そろそろお腹が減って来た頃。ふとそんなことを考えているとコンビニが近くにあるのを見つけた。さっきのこともあるからこいつに何かおごろうかと思い、彼女を引き止めた。 「ちょっと、ここで待ってて。すぐ戻るから。」 そう言ってオレは、コンビニの方へ走って行く。以前、クリームパンと苺牛乳という甘い物を食べていたことを思い出した。そこでパンのコーナーへ行くとチョココロネが置いてあり、何も考えずそれを手に取る。 チョコと合いそうな飲み物が思いつかなかったので牛乳にした。この2つを買って再び彼女の所へ戻る。 「はい。お腹すいてるだろうから、パンと飲み物買って来た。」 オレが差し出したビニール袋を渡部さんが受け取る。 「家で親が作ったもん食べたいかもしれないけど、これも食べろよ。体、弱いんだろ?」 「…うん。」 「渡部さんの好きなもの分かんなかったから、これ買って来たけど…。今更ながら、大丈夫?」 「甘い物は好きだから大丈夫。」 「そか!良かった。」 そう言うと、彼女はうつむいてこう言った。 .
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