第3話イチゴパフェとコーヒー

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私はふと思った。他の人の家族構成はどんな感じなのだろうと。私は母と母の姉と一緒に住んでいる。では、他の人はどんな人がいて何をしているのだろう…。こんなことから私の疑問は生まれた。 だが私は、誰かにそんなことを聞けるような立場ではない。クラス…いや学年の全ての人間から嫌われている身なのだから、そう易々と聞けるはずがない。 唯一、聞けそうなのは赤井くんだけだ。何故なら、あの日以来、ずっと私の至福の時に彼が来ているのだ。私はお昼になるまで授業に集中した。 「で、オレの家族構成を教えろと。」 「うむ。」 今はお昼休み。目の前には赤井くん。恐らく、普通の女子なら赤面してまともに口も聞けないだろうが、特に私は気にしない。 「オレの家族ねぇ…。」 「さっさと言え。時間がなくなるではないか。」 「う~ん…。」 今日はいつになく口数が少ない…というよりは、何か口ごもっている様子。イライラし始めた頃に、遂に赤井くんが口を開いた。 .
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