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私の今着ている前が少し開いた赤いセーターに黒いスカート、一本のボーダーが入った白いハイソックスに黒い靴、頭にはモコモコが付いた赤いベレー帽風の帽子を着用している。
「これは私の母が選んだのだ。私は服になど興味ない。」
「にしても…、ファッションセンス抜群だな、渡部さんの母さん。」
「……まぁな。」
そんなことを話ながら目的地であるショッピングモールへ行く。ちょうど10時開店なので、人はそこまで多くはないがガヤガヤとしてうるさい。
普段、休みの日は1日中家にこもっているので若干、こういうのはドキドキしている。
私は人間観察者だ。これからこのショッピングモールで何をし何を買うのか予想するのが楽しい。しかも、ここは色んな飲食店が立ち並んでいる。きっと甘いパフェやシュークリームやら売っているはずだ。
そんなことを想像しているとぐいっと誰かに腕を引っ張られた。
「ぼーっとしてないでさっさと行くぞ。」
手首を掴まれたまま何処かへ行く。少し歩いて着いた先は雑貨屋さん。
「この前、ノートがめちゃめちゃになっちまっただろ?
そのままアレを使うのは嫌だろうから、新しいノート買おうぜ。」
私の目的は確かにノートを買うことだ。そのことを言ってはいないのに、彼は見抜いた…いや、察したのであろうか。とにもかくにも、汚れてあまり使えなくなったため新しいノートを5冊まとめて買った。
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