第1話クリームパンと苺牛乳

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私は学校が嫌い。何故ならうるさいから。まだ後ろの席だから良いけど、もし真ん中だったり一番前の席だったら一日中、耳を塞いでいるかもしれない。いや、している。そんなことを思いながらやっぱりうるさい教室のドアを開ける。 ガラッ 「……。」 雑音のようにうるさかった教室は、時が止まったかのように静かになった。生徒たちの目線はドアの方へ向いている。だが、何事もなかったかのような顔つきで再び音が響く。 私は特に気にすることもなく、自分の机の方へ行く。その机には、「死ね」「消えろ」「学校に来るな」。もう慣れた。高1からやられているから。消しても消しても次の日にはまた書かれている。本当につまらない幼稚な連中だ。 「あ、ユーレイ学校来たんだ! 先週は来なかったから、死んだのかと思った。」 私に罵声を浴びせるのは伊藤 美優(イトウ ミウ)。イジメの首謀者だ。ちなみにユーレイと呼ばれている。理由は私の髪の毛の長さと性格の暗さが原因。 直したいけどきっと気持ち悪いと言われそうだからしていない。それは逃げだと言われても仕方ないと思う。でも、私にはそれしか彼女たちの気分を良くするような方法がないから。 「風邪で…休んでた。」 渋々、声を出して休んでいた理由を言った。 「ユーレイでも風邪ひくんだ~!ちょー意外!」 伊藤さんは他の女子と一緒に笑いながら言った。さすがにそれは言い過ぎだとは思うが反論する気もない。彼女もそれを言うためだけに私の元へ来たのか、すぐに自分の席へ戻って行った。 私は特にやることもないので本を読もうとした…。うん、しようとしたんだ…。 .
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