第3話イチゴパフェとコーヒー

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20分程経って、ようやくパフェが届けられた。そのついでに、黒く苦いコーヒーも届けられた。私は早速、抹茶パフェになら必ずある白玉団子を口にした。とても柔らかくてもちもちしている。次にスティック、抹茶アイスと次々に口へ運んでいく。 「よく甘い物なんか食べられるよな。」 「赤井くんは苦手なのか?」 「苦手ではないけど、そこまで甘いのはダメだ。」 そう言って、赤井くんはコーヒーをすすった。私も残りのパフェを全て口へ運んだ。 食事が済むと私たちは洋服店の方へ行った。赤井くんがどうしてもと言うので、仕方なく付いていく。ショーウィンドウには今年流行の服やすでに夏服が店内に飾られてあった。 まだ春なのに、もうバーゲンセールまで開催されている。赤井くんに連れられてあるお店に入る。 店内はとても落ち着いた雰囲気で、白や薄ピンクを基調とした洋服が置いてある。フリルやリボンも付いていて、大人のようで少し子供っぽさが入っていて可愛いと思う。 「なぁ、この服とか可愛いんじゃねぇか?」 赤井くんが手にしているのはやっぱり薄ピンクで白いフリルが付いたスカート。しかもミニ。 「そんな短いのは着れん。」 「…今日だって着てんじゃん。」 でも無理なものは無理。私は別の方へ目を向けた。洋服店は、服だけでなくアクセサリーや靴も売っている。普通の女子ならこんなことは当たり前だが、表に出ない私にとっては新鮮な感覚だ。 「なんか気に入った物でもあったか?」 「…ただ見ていただけだ。」 私はぷいっと再びアクセサリーの方へ目をやる。すると、たった一つだけ気になる品を見つけた。 .
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