8人が本棚に入れています
本棚に追加
/109ページ
「…今の声、聞いてた…?」
「……(こくり)。」
赤井くんがはしごを登る音だった。登り終えると先程の声について聞かれた。ウソをつく理由もないのでとりあえず頷く。全く…関わりたくもないのにどうしてこうなってしまうのだろう。
話は終わりだと思って残り半分のクリームパンを食べようとしたら、また彼に止められた。
「今の忘れてくれよ!ストレス発散にやっただけだから。」
必死に訴えているが、私にはどうもあれがストレス発散のためにした事だとは思えなかった。でも、またとりあえず了解しておく。これで本当に終わりだと思って喉が乾いたので苺牛乳を手にした。
まだ口をつけていないのでストローを取り出そうとした時。
「あっ、それ頂戴。」
「えっ?」
ヒョイと私が手にしていた苺牛乳とストローを奪われた。
「オレ、昼飯ないんだ。悪いな。ほんじゃ、またね!」
そして彼は去って行った。
「……。」
一人、クリームパンのみ持った私を残して。
.
最初のコメントを投稿しよう!