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「次行くぞ」 「え、ちょっと」 何の言葉も交わすことなく、次へと連れて行かれる。 だいたい、みなさんどうなの? 突然やって来た、私が社長秘書になるって納得してるの? 「ねぇ、私が秘書になるって事、現秘書の人達はどう思ってるの?」 乗り込んだエレベータの中で早坂に問いかける。 「やる気になったか?」 ここまでお膳立てして今更やらないなんて言えないじゃない。 この男、最低だ。 「うちの秘書は優秀だよ。 そんな小さい事、気にしないさ」 そ・・うかなぁ・・・ さっきの社長専用と違い、外の風景が見えるガラス張りのエレベーター。 「なるべくクリーンに。 オープンに」 「え?」 「隠そうとするから変な事になる。 最初からさらけ出してれば、隠しようがない。 だから、うちは出来るだけ全てオープンだ」 そう言って開いた先は・・・ 「ここが、社員食堂だ」 目の前に広がるのは、広々とした・・・カフェ? 昼過ぎのせいか、人はまばら。 てか次期社長に気づかないのここの人達? 「和・洋・中のビュッフェスタイル。 好きな所で好きなように食っていい」 これまた、おっされー。 オーエルさんが憧れそうな社食。 「20時以降は酒も出す」 「ええ!社食でしょ!」 「お前は残業しないのか?」 「するけど、でもお酒って」 「アルコールも扱う会社がアルコール知らないのはおかしいだろ。 ただし、遊びで飲むんじゃない。 あくまでも仕事の一環だ。 接待で使う時もある」 そう言うと、厨房の方にズカズカと入って行く。 「仲さん」 白衣を着た女性に声をかける早坂。 「坊っちゃん、いらっしゃい」 おお、この人は早坂の事知ってるんだ。
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