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「さっきのお前のスーツ」 お前言うの止めてくれないかな。 「あれはここでは着るな」 「はい?」 「あんな暗いスーツ、着用禁止だ」 「はぁ?何言ってんの! スーツしか着れないのに、ダメってどういう事」 「もっと明るいスーツにしろ」 「いや、だって」 あのスーツ達だって安くないし、今更揃えられないよ。 「黒は葬式だけでいい」 「横暴な」 「とにかく明るめのスーツを準備しろ」 この男! 「とりあえず、10着はこちらで準備した」 「はい?」 もう、私『はい?』しか言ってなくない? 「って、サイズとか」 「そんなもの見ればわかる」 思わず両手で胸を隠す。 「アホか、冗談だ。 さっきのスーツを元に作るよう水瀬に言ってある」 アホかって言ったよ、この人! 「俺はお前に期待している。 お前がこければ、俺がこけると思え」 真っすぐに私の目を言った早坂。 このイケスカ! 人のやる気を起こさせる天才なの? やってやるわよ。 仕事大好き! 完璧に秘書してあげる!
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