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俺は愛の頭を撫でて、体から優しく引き剥がす。
「ヤッホー、愛ちゃん」
「ヤッホー」
ひょこっと顔を覗かせる桜に、愛は笑顔を向ける。
「一緒に帰ろ」
「おう。晃達も来るか?」
「あーいや、悪いな。俺達、これから用があるから、また今度な」
「そうか」
俺達は門の前まで行き、そこで晃達と別れて、いつものメンバーに愛を加えて、通りの方へ行く。
ギルドに行く前に、竜也が頼んでおいた本を取りに行きたいということで、少し寄り道をしていくことになった。
細い路地に入り、そこにある竜也行きつけの魔導書店に入る。
「いらっしゃい。あら?」
「どうも」
「久し振りね。届いてるわよ」
女性の店員さんが出迎え、カウンターの後ろにある本棚から本を一冊取り出す。
竜也はカウンターに行き、ポッケから財布を取り出す。
「苦労したのよ。この本、生産数少ないから」
「すみません、無理を言ってしまって」
すまなそうな顔をして、財布から札束を…って、札束!?
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