第一章 新学期と変化

9/28
前へ
/576ページ
次へ
俺は愛の頭を撫でて、体から優しく引き剥がす。 「ヤッホー、愛ちゃん」 「ヤッホー」 ひょこっと顔を覗かせる桜に、愛は笑顔を向ける。 「一緒に帰ろ」 「おう。晃達も来るか?」 「あーいや、悪いな。俺達、これから用があるから、また今度な」 「そうか」 俺達は門の前まで行き、そこで晃達と別れて、いつものメンバーに愛を加えて、通りの方へ行く。 ギルドに行く前に、竜也が頼んでおいた本を取りに行きたいということで、少し寄り道をしていくことになった。 細い路地に入り、そこにある竜也行きつけの魔導書店に入る。 「いらっしゃい。あら?」 「どうも」 「久し振りね。届いてるわよ」 女性の店員さんが出迎え、カウンターの後ろにある本棚から本を一冊取り出す。 竜也はカウンターに行き、ポッケから財布を取り出す。 「苦労したのよ。この本、生産数少ないから」 「すみません、無理を言ってしまって」 すまなそうな顔をして、財布から札束を…って、札束!?
/576ページ

最初のコメントを投稿しよう!

351人が本棚に入れています
本棚に追加