第一章 新学期と変化

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待て…ちょっと待て。え?札束?そんなに高いのかあの本。 「りゅ、竜也、ちょっといいか?」 「何だ?」 「その本って、いくらなんだ?」 「ああ、二十万だけど」 「二十万!?」 あの本、そんなに厚みないのに、そんなに高いのか。 そして、そんな大金を、竜也は普通に店員さんに渡す。 「確かに。ああ、そうそう。あなたのところのマスターから、これを頼まれてたの。お代はもうもらってるから、持って行ってくれない?」 別の本棚から三冊本を取り出す。竜也はそれを受け取って、表紙を見る。 「これって…」 表紙を見て、少し驚いたような表情をする。 「頼むわね」 店員さんは笑顔で見送り、俺達は外に出る。 「今更こんなのを買って、どうするつもりなんだ?」 「ん?」 「いや、何でもない」 本を懐の魔法陣の中にしまう。 「早く行こう。愛」 「なに?」 「久し振りに肩車してやる」 「わぁ~い」 目を輝かせて、竜也の背中に飛び乗り、軽く押し上げて愛を肩車する。
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