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待て…ちょっと待て。え?札束?そんなに高いのかあの本。
「りゅ、竜也、ちょっといいか?」
「何だ?」
「その本って、いくらなんだ?」
「ああ、二十万だけど」
「二十万!?」
あの本、そんなに厚みないのに、そんなに高いのか。
そして、そんな大金を、竜也は普通に店員さんに渡す。
「確かに。ああ、そうそう。あなたのところのマスターから、これを頼まれてたの。お代はもうもらってるから、持って行ってくれない?」
別の本棚から三冊本を取り出す。竜也はそれを受け取って、表紙を見る。
「これって…」
表紙を見て、少し驚いたような表情をする。
「頼むわね」
店員さんは笑顔で見送り、俺達は外に出る。
「今更こんなのを買って、どうするつもりなんだ?」
「ん?」
「いや、何でもない」
本を懐の魔法陣の中にしまう。
「早く行こう。愛」
「なに?」
「久し振りに肩車してやる」
「わぁ~い」
目を輝かせて、竜也の背中に飛び乗り、軽く押し上げて愛を肩車する。
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