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二人の横をすり抜け、階段を上っていく。
「何でもするから、香織にだけは言わないでくれぇ!」
「ダメ。ちゃん言うからね」
そして、すぐ隣で残酷な判決が落とされたのだった。
--コンッコンッ…
「は~い」
「雫さん、入りますよ」
「どうぞ~」
扉を叩いた後、俺は中に入る。
「あら竜也、お帰りなさい」
「ただいまです。これ、帰りに頼まれたので預かってきました」
懐から預かった三冊の本を取り出し、雫さんに渡す。
「ありがとね」
「別にいいですけど。どうしたんですか、これ。今更あなたには必要ないじゃないですか」
雫さんに渡した本には、雷系や風系、光系の中級から最上級魔法が書かれている。
雫さんは全属性の最上級魔法までの魔法を全て修得してるので、今更こんな魔導書は必要ないはずなのだが…。
「あ~これね。あの子達にあげようと思ってね」
そう言って引き出しから、もう一冊本を取り出す。
「あの子達って、まさか」
「そうよ。詩織さん達にあげるの」
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