第一章 新学期と変化

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二人の横をすり抜け、階段を上っていく。 「何でもするから、香織にだけは言わないでくれぇ!」 「ダメ。ちゃん言うからね」 そして、すぐ隣で残酷な判決が落とされたのだった。 --コンッコンッ… 「は~い」 「雫さん、入りますよ」 「どうぞ~」 扉を叩いた後、俺は中に入る。 「あら竜也、お帰りなさい」 「ただいまです。これ、帰りに頼まれたので預かってきました」 懐から預かった三冊の本を取り出し、雫さんに渡す。 「ありがとね」 「別にいいですけど。どうしたんですか、これ。今更あなたには必要ないじゃないですか」 雫さんに渡した本には、雷系や風系、光系の中級から最上級魔法が書かれている。 雫さんは全属性の最上級魔法までの魔法を全て修得してるので、今更こんな魔導書は必要ないはずなのだが…。 「あ~これね。あの子達にあげようと思ってね」 そう言って引き出しから、もう一冊本を取り出す。 「あの子達って、まさか」 「そうよ。詩織さん達にあげるの」
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