第一章 新学期と変化

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「何でですか?」 「…強いて言うなら、いざという時のためね。また、半年前みたいなことが、ないとも言えないからね」 真剣な表情をして、話していく。 「近くに居るのなら、守れるけれど。毎回必ず近くに居るとは限らないでしょ。最低限、力を付けてもらわないとね」 「でも、慎司が」 「確かに慎司は強くなったわ。たった一週間で、あなた達に届きそうなぐらいにね。でも、まだまだ力不足よ。蓮や浩介さんクラスの相手が出て来た時は、自分の身すら守りきれないわ」 「…そのための力ですか?」 「そうよ」 「分かりました。じゃあこれは、俺から渡しておきます」 引き出しから取り出した本を加えて、四冊の本を雫さんからもらい、部屋を出ようと後ろを向く。 「あなたもそう思ったから、その本を取り寄せてもらったんでしょ?」 手に持った本ではなく、懐の魔法陣を指差す。 何でもお見通しということかな? 「…さぁ、どうでしょうね」 そう返して部屋を出て、健吾達の待つ、一階へと足を進めていった。
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