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「お、戻ってきたか」
階段から竜也が降りてくる。手には分厚い本が乗っている。
確かあの本は、届けてくれと頼まれた本だったような。
「みんな、少しいいか?」
こちらへやって来た竜也は、詩織達に声をかける。
「この本、雫さんからだ」
手に持った本を、一冊ずつ詩織達に渡していく。
「凄いよ、この本。最上級魔法まで書かれてる」
早速、本を開いてページを捲り始める。
「雫さんが、どうして?」
「強くなれ、だってさ。それだけだ」
簡潔に述べる竜也。
「よぉし、じゃあ早速、その本に書かれたやつでも修得するか」
コップに入っている酒を一気に飲み干して立ち上がる。
「おら、慎司。今日の分をやりきるぞ」
「あ、はい」
慎司を引き連れて外へ出て行く。見学にでもいくのか、桜も二人について行く。
で、涼香と隼人さんはだが…。
「そんなこと言わずに頼む」
「ダメ」
まだやってたよ。この二人…。
本当に父親の威厳なんてものがないな。
そんなことを思いつつ、二人のことを眺めた。
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