第一章 新学期と変化

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「お、戻ってきたか」 階段から竜也が降りてくる。手には分厚い本が乗っている。 確かあの本は、届けてくれと頼まれた本だったような。 「みんな、少しいいか?」 こちらへやって来た竜也は、詩織達に声をかける。 「この本、雫さんからだ」 手に持った本を、一冊ずつ詩織達に渡していく。 「凄いよ、この本。最上級魔法まで書かれてる」 早速、本を開いてページを捲り始める。 「雫さんが、どうして?」 「強くなれ、だってさ。それだけだ」 簡潔に述べる竜也。 「よぉし、じゃあ早速、その本に書かれたやつでも修得するか」 コップに入っている酒を一気に飲み干して立ち上がる。 「おら、慎司。今日の分をやりきるぞ」 「あ、はい」 慎司を引き連れて外へ出て行く。見学にでもいくのか、桜も二人について行く。 で、涼香と隼人さんはだが…。 「そんなこと言わずに頼む」 「ダメ」 まだやってたよ。この二人…。 本当に父親の威厳なんてものがないな。 そんなことを思いつつ、二人のことを眺めた。
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