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「ふぁ~あ」
俺は今、学園指定の制服に身を包め、鞄を持って登校していた。
「何、朝からアホ面してんのよ」
「悪かったなアホ面で」
隣に一緒に並んでいる金髪で、髪を一つ縛りにしている少女が罵倒するように話しかけてくる。
彼女は新崎詩織。この学園で知り合った少女だ。
「詩織ちゃん。そんな言い方はよくないよ」
その隣に並んでいる薄紫色のロングヘアーをした少女が指摘する。
彼女の名前は水原涼香。詩織の幼なじみで親友。とても優しい子だ。
「涼香、言うだけ無駄だよ。そんなことは、もう分かってるだろ」
その涼香の隣にいる蒼髪の少年、竜也が手に持って開いた本のページを捲りながら、こちら一切見ずに指摘する。
「竜也。でも、駄目なことはちゃんと注意しないと」
ちなみに竜也と涼香は恋人同士だ。十年前、二人は幼い頃に出会い、昨年俺達の通う学園で再開して、思いを伝えあって恋人になった。
付き合い始めた頃は、君付けだっが、今では呼び捨てになっている。
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