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「涼香、竜也の言う通りだよ」
その二人の後ろにいた少し短めで黒色の髪をした少女が言う。
「それに、詩織はただ素直にな…」
「桜、それ以上言ったら、ただじゃおかないわよ」
「おおう…。そんな怖い顔をしないでよ」
桜と呼ばれた彼女は、少し下がりながら両手を上げる。
「それより慎司は?また寝坊でもしてるの?」
「あー、慎司はね。昨日も遅くまで、浩介さんにボッロボロになるまで扱かれてたからね。たぶん、ちょっと遅れてくるんじゃないかな」
苦笑いする彼女の顔を見れば、慎司がどれぐらいボコボコにされたのか、予想がつく。
どうやら手痛くやられたみたいだな。
俺達は門を通り、学園の庭を通っていき、校舎前に出された掲示板のところへ行く。
今日から俺達は、一年から二年生へと進級する。
当然クラスも変わる。この掲示板には、新クラスのメンバーが書かれている。
どのクラスになるかは分からないが、できればまた、こいつらと同じクラスだったらいいなと思っている。
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