カノンとコナタ

◇ｺﾅﾀ◇

しかし、よくよく考えるとそれって実は裏原系？僕は何系とかにはかなり疎く着たいものを着るだけの無頓着男子だ。
それに比べると山内くん、何やら個性の匂いがぷんぷん漂ってきますぞ。
と、こんな感じに「ブンガクブノオンナ」という呪文は僕を呪ってくれた。

文学部は、文芸学部にろれつくらいはよく似ている。けれど、それは似て非なるもので文学部は自分たちがクソ文芸学部とよく間違われることに憤懣やるかたなしという顔をして一蔑して去って行くくらいの根性悪集団だ。
けれど学部の三分の二は女生徒でしかも才媛揃い。美人率も他学部の女の十割増し。ミスコンのグランプリ、準グランプリは毎年必ずこの学部の女がかっさらっているらしい。
才媛で美人ときたら、性格の善し悪しなどかまってられない。
第一、彼女らが邪険にするのは僕ら文芸学部だけであって他学部には無害なのだ。文学部の女と付き合うことはこの大学に通う男共にとってステータスの一つ。
そんな彼女らと「合コン」ができる。山内くんは一体どんな魔法を使って彼女らを誘い出したのだろうか。