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僕は朝が来ると同時に起き上がる。僕にとっての朝というのは、目覚まし時計に代わる携帯のアラームだ。
好きでもないけどダウンロードした一部で有名なバンドのその曲は脳みそをつんざきそうなボーカルの奇声で始まって、頬を打つかのようなベースで終わる。
一曲まるまるの着うたフル。でも一分足らずで終了。
スヌーズ機能を使ってるから、一回で消さないとまたその曲が数分後に流れる。
極力、一回で消すようにしている。バイブも一緒に機能してるから、階下の住人にも迷惑だろうし。
目覚めは毎日最悪だ。けど、僕はきっとこうしないと起きれない。毎日の習慣とは人間の体の芯に深く刻まれるものなのである。たぶん。
大学はクソど田舎の田んぼ道がざあざあ広がる町にある。
僕が何を勉強してるかと聞かれたら、ただの文学だとしか答えられない。日本の学生なんか遊ぶために大学に行ってるようなもんだから、そんな問いは愚だ。
地方国立大のみすぼらしさに都会暮らしの僕は正直ひいた。
大学入試の日、このまま地元に帰って滑り止めで合格した私立大に通うか、とも思った。
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