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もっさく打ち果てたレンガの門と、錆をそのままに着飾った鉄柵に、四年間ここで囚われるのはあまりにも悲しすぎると思ったのだ。
しかし、踵を返すことはできなかった。国立大と私立大、天秤にかけてお得な方を取るとなれば、やっぱり国立大。
ど田舎だろうと一人暮らし。親の庇護のもとにいつまでも居ていいわけはなく、僕は十八の青い男だったので、頭の端に彼女連れ込み放題という文字が浮かばなかったわけはない。
当時、付き合ってた彼女のことをよぎった僕のあほな頭。
遠恋になるけど、毎週土曜には彼女がこっちに来てくれて、いちゃいちゃして過ごして、やり放題で日曜に僕との時間を惜しんで帰る彼女をぎゅっと抱き寄せて、ちゅっとくちづけて、また来週会えるから、そんな顔すんなよ、とかなんとか言って駅のホームから見送る僕。
このシチュエーションに興奮して持てる力の全てを僕は回答用紙にぶつけまくった。
そして、邪心にまみれた僕の心のせいで第一志望であった法学部に見事滑った。
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