男の旅路に危険はつきもの

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 言うまでも無く、絶対的な理力の量が不足しているからだ。 そんな僕をしり目に、ケモノはどんどん理力を高めていくと、集まった黒雲へ向け更に力を加えた。  すると、雷鳴が辺りへ響き始め、ぽつりぽつりと頬を水滴が打ち始める。 ――マズい!! 『……”雷水神槍”』  ケモノが”それ”の名を呟く。 黒雲から落ちる水滴は収束し始め、その周囲へ雷が纏わりついていく。  巨大な三股の槍を描いたそれらは、湖畔を囲う森すら圧し潰してしまいそうに膨大な質量をほこっていると、傍目に見ていて理解できる。 「ライル……あれはやべぇだろ……」  さすがのアネスも危機感を感じたのか、冷や汗を流しながら上空で停滞する巨大な槍を見上げていた。
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