男の旅路に危険はつきもの

61/65
前へ
/133ページ
次へ
 横たわるライルは規則正しい寝息を立てている。 命に別状は無いだろう。 「……こいつも殺すか」 ――何を言っているんだアタシは……  アタシの本心とは間逆に、右手は無造作に大剣を振り上げる。 ――おい……止めろ!! 「……シネ」  アタシの口から出た声は、幾つもの声を重複させた耳触りな声だった。 ――止めろッッッ!!  言う事を聞かない体。 何だこれは……アタシはライルを殺したくない。
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1214人が本棚に入れています
本棚に追加