男の旅路に危険はつきもの

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 大剣は潜り込むほど深く突き刺さった。 ライルの顔の直ぐ真横で。 「ハァ……ハァッ……」  どうにか体の自由を撮り返したアタシは、力無くその場に腰を降ろした。 ――さっきのは……  全くわかんねぇ。 けど……自分の中に誰かが居たような……  そんな気がした。 「う……うーん……」  ライルが顔を顰めながら、口を小さく動かし唸る。 そして、ゆっくりと瞼を上げたライルは、顔の真横に突き刺さる大剣を横目に見て、驚きの余り勢いよく立ちあがった。
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