ぷろろーぐ

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 俯かせていた顔をゆっくり上げると、長老の隣に小柄な少女がいる。 見覚えの無い容姿から、恐らく冒険者だろうと予想した。 ……小さいのに凄いなぁ。  座高が長老より一回り低い。 「おいてめぇ。”アタシ”に文句でもあんのか?」 「いえ――」  知らぬ間に怪訝そうな顔をしていたのだろう。 気分を害してしまったようだ。 「嘘つけ! 目線が――」 「まあまあ。落ち着いて下さい――”アネス”さん」 ……アネス? 知らないな。  首を傾げながらも、彼女の背後に置かれた一振りの大剣に目が行く。 明らかに体格と不釣り合いな大きさ。  鞘に錆がきており、手入れは今一つ出来ていない様子。 「おい! 聞いてんのか!?」 「はいっ!?」 「チッ――」  舌打ちをされる。 何て怖い女の子だろう。
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