変態

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アンデッドになる、ならないが、どういった基準なのかは分からない。 一つには、彼らの唾液が感染源なのだろう。それは、僕自身が証明していた。 あの日、月明かりを浴びるリカちゃんに魅せられ、僕は彼女の唇に自身の唇を重ねた。 冷たく柔らかな感触。 その時、彼女の舌先が僕の口内を擽った。僕は途端に恥ずかしくなって、彼女から離れる。そんな僕を彼女は、恥ずかしそうに、それでも楽しそうに笑って見ていた。 その翌日から原因不明の高熱に襲われ、数日後には、僕はアンデッドになっていたのだ。 ただ、そこには彼女の意思もあったのかも知れない。 僕がアンデッドになって暫くしての事だ。 音楽発表会が近付いていた。みんな張り切っていたし、勿論、僕も頑張って練習していた。 その日も僕は、自分のパートになっている鍵盤ハーモニカを持ち帰り、家で練習するつもりだった。それなのに、正門を出た時、僕は鍵盤ハーモニカを持っていなかった。教室に忘れてしまったのだ。 リカちゃんと一緒に、慌てて教室に戻った事を、僕は後悔した。 担任の先生が、僕の鍵盤ハーモニカの吸い口を舐めているのを目撃してしまったからだ。
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