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僕はリカちゃんの手を引いて、逃げるようにその場を後にした。
あそこは僕の席で、鍵盤ハーモニカにも名前は書いてある。担任が間違える事はない筈だ。
でも彼は、僕の鍵盤ハーモニカの吸い口を舐めながら、それを持つ反対の手を自身の脚の方に下ろしていた。机の影になって見えなかったが、その手を動かしているのだけは分かった。
何をしていたのかは分からない。
でも、気持ちが悪かった。
翌日、学校に行くと、担任はいつもと変わらず教室にいた。次の日も、またその次の日も彼が休む事はなく、勿論、アンデッドになる事もなかった。
相手を仲間にしたいという気持ちが、きっと必要なのだろう。
そうして、アンデッドは少しずつ数を増していった。
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