変態

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僕は裸だった。服を着ようとするが、僕の服は全て小さくて着る事が出来ない。仕方なく父親の服を適当に身に付けると、玄関に向かった。 そして久し振りに見る昼の光に目を細めながら、裸足のまま外に足を踏み出す。すると一人の美しい女性が、嬉しそうな表情で、僕に手を振りながら近付いてくる事に気付いた。 リカちゃんだ。 外見の年齢はまるで違うのに、僕はそう確信した。 僕も彼女に歩み寄る。 彼女の肌は血色が良く、まるで生者のようだ。でもそれは僕も同じで、青く浮き出た血管に力強い血流を感じる。 滑らかな肌に触れると、柔らかく確かな温もりがあった。 「リカちゃんの冷たい手を握るのも好きだったんだけどな」 そう言うと楽しそうに笑う彼女は、アンデッドの時と何も変わらない。僕も笑うと、太陽の光を浴びて美しく映える彼女の顔に、自分の顔を近付けていった。 アンデッドだった人々は生者になっていた。 生者だった人々は、僕らが眠っている間に地上から姿を消していた。 何があったのかは分からないし、知りたいとも思わない。 ただ僕は、あの担任も居なくなったという事実が、単純に嬉しかった。
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