感じ。

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感じ。

季節は白い雪が空から降る冬。 外は防寒具を着た人が疎らにいるだけ。 ショッピング街は豪雪過ぎて店を開けられず、とても静かだった。 住宅地も同じ。 だが、家の中は暖かく楽しげな子供たちの声もする。 『…るさいなぁ……』 家族団欒の家隣には一軒家に独りで住む人間がいる。 ベッドからモゾモゾと動き出し、床に足を着けた。 灰色のパジャマ上下をきっちり身に付けた姿。 所々毛先が跳ねた赤茶のボサボサ髪。 口を開けて大きな欠伸が出る。 『ぐ、ああああ』 両腕も両足も伸ばす。 サイドテーブルにある置時計を見る。 『………なんだよ……3時間しか寝てない』 世間では14時過ぎた頃だ。 ガシガシと頭を掻き、ボリボリと腹を掻く。 『腹、減ったなー…』 寝室を出ていき、洗面所へ向かう。 まだ眠たげな瞳をして鏡の前に立ち、歯ブラシと歯みがき粉を手に取り、歯ブラシに歯みがき粉を乗せる。 歯ブラシを口に入れ、歯を磨いていく。 瞼を閉じ、手は動かしながら、考える。 モヤモヤ浮かんでくる人物がいる。 友人のエディ・ショーン・ライツ。 そして、本名は判らずじまいの“エノク”。
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