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『…………はい………それで何処に?』
行き先がわかる気がしたが、恐る恐る聞いてみる。
『ジャックの所に泊まる』
『っ――――――』
声なき叫び。
『リナ、そんな捕って食われるんじゃないんだから』
エディが苦笑いしつつ、言った。
『それに今からホテル探すのも、巻くのも面倒だ』
『“巻く”……』
エディとリナは後ろを振り返った。
スモークガラスだから、後続車からは2つの顔が向いている事はわからない。
空港からずっと着いてきていた。
初めから知っていたのは兵悟だけ。
車を巻く事は簡単に出来たが、ジャックに迷惑をかけるために後を付けさせていた。
兵悟は機嫌が良かった。
旅館の経営者に言われた言葉に救われ、後押しをしてくれた。
メアリーに会える事も嬉しかった。
母も笑ってくれていると――――。
『どこの車かな?』
『ショーンを狙ってるのよね?』
『“エノク”の事を知りたいんだと思う。謎に包まれてるから』
『……大丈夫なの?兵悟』
『心配するな。手は打つ』
住宅街を抜け、私有地の門―ジャックの所有地―を通り抜けると重そうな鉄柵が閉じ始める。
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