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『ぶしゅっ!!』
金髪碧眼のエディがもうすぐ空港に降り立つ頃、突然のくしゃみをした。
『大丈夫?ショーン』
通路の反対側にリナが座ってエディに声を掛けた。
『大丈夫…冷えてきたのかな?』
『雪はまだの様だけど、ここもいずれは閉鎖するわね』
毎年、大雪になり、閉鎖している地域だ。
風も出れば尚更だった。
『風邪ひかないようにしないとね!アクション映画に出るんだから』
リナはにこにこ微笑んでいる。
有名な監督からの映画出演の誘いが舞い込んできた。
最初エディに話を持って来たとき、エディは乗り気ではなかった。
嫌な顔をはっきりした。
理由はわかっている、わかりきっている。
短くて半年以上、兵悟と離れるかもしれないから。
『……』
出演に承諾したのは、自分の役が誰かに恋をしないことと、相棒が友人であること。
『なに?何か気になることでもあるの?』
一番は兵悟の『楽しそうだな、行ってこい』の一言だった。
エディは渋々……泣きながら、後ろ髪を物凄く引かれながら、映画の出演を承諾した。
そして、今に至る。
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