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エノクの演技はとても自然で天使の印象そのままに優雅にも見えた。
『オーディンが愛しいと伝わってきた』
確かに他人を見る眼と違っているのが映像でもわかっている。
『あの子はエディそのものを愛しているんだろう………だから、エディがこの世からいなくなるようなことがあれば………』
『………私の………おじさんは、今………』
ジャックはマリアを見つめる。
『病死したよ……それはあの子にも伝えてある……人を愛せなくなる子にはさせたくないからね』
マリアは少しホッとした。
血の繋がった人だけれど、自分の欲だけで人の命を簡単に殺めてしまう人が近くにいるのは怖い。
『……もうひとつ……私はあの人に似てますか?』
エディにもやんわりと、しかしきっぱりと兵悟に近付かないでと言った。
『―…見た目は似ていないよ……あの子は些細なことでも嗅ぎとってしまうからね』
『―……』
初めて会う人間の何処を見て、判別したのだろうか。
『だから君はエディに手を降すような事をしないで欲しい』
『しませんっ!友人です』
『1つだけ忠告をしておこう』
ジャックが柔らかな笑みを向けた。
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