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リナは何も言うまいと思った。
『兵悟。おばあ様はどんな方でしたか?』
シロウは亡き祖母の記憶はない。
写真や動画では祖母の腕に抱かれている。
兵悟が祖父と知り合いだと知った時、電話口で『メアリー』と言っていた。
祖母とも知り合いなのだとわかった。
けれど、祖母の事を何故か聞くのを躊躇ったのだ。
『―――……俺の、心を…守ってくれた人だ…少女のような所もあった可愛い人』
懐かしさを思い、シロウの顔にメアリーの面影を見る。
兵悟の背後からエディの腕が伸び、顔を隠し、腰を引き寄せる。
『シロウさん…兵悟さんの可愛い顔は僕だけのモノですから見ちゃ駄目ですよ?』
にっこりと綺麗に笑うエディ。
『……エディ』
リナが呆れた声を出す。
『ふっ…』
エディの腕の中でくるりと周り、エディを意味ありげに見上げる。
『……なに?……なんだか聞きたくない事を言われそう……』
『エディはアルフレッドに似てるぞ』
にこにこと笑いながら、エディの腕から抜け出し、メアリーの墓を後にする。
『―――っ兵悟さん??どういうことですかっ!?……嘘ですよね?父さんを好きなんて!?やだぁぁぁ』
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