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愛シ過ギテ。
「僕、××のお婿さんになる!」
幼すぎる少年は少し頬を赤くしながら言った。
「本当?ありがとう」
少し大人びた顔立ちの少女は無邪気な笑顔で言った。
―――――――
少年は青年になった。
「××、俺と、結婚してくれ」
青年は真剣な面持ちで言葉を伝える。
「私にその言葉は勿体ないよ、でもありがとう」
毎日聞いているその言葉に、一人の女性は微笑み返す。
―――――――
青年は見てしまった。
女性と一人の男性が幸せそうに話しているのを。
青年の中で、音を立てて何かが崩れた。
―――――――
一人の女性は一つの墓の前で泣いていた。
もう名前を呼んでも帰ってこない大切な人を亡くして。
青年はそんな女性を見て
笑っていた。
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