19歳、殺し屋。ヲタクですが、何か?

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ふわぁぁ~と大きなあくびをして妹が二階から降りてくる。 「お兄ちゃんおはよ。」 ん、おはよ。と返事だけを返す。 「朝から新聞なんて…お父さんみたい。」 妹、渦更木 莉那(かさらぎりな)は片手でコーヒーをコップに注ぎながら言う。 「次の依頼は政治家さんなんだってよ。」 「ほぅ…それで政治覧を見てるわけだ。お兄ちゃんも跡継ぎとしての自覚が出てきたってことかぁ…。」 「たりまえだろ。渦更木家と言えば江戸時代から有名な殺し屋だ。それを継ぐんだ。それくらいはしないとな。」 違う。何を言っている俺!!実はと言うと今日から始まる秋アニメ【おねぇちゃんは戦国武将】のあらすじを確認したいだけじゃないか!!しかし、妹がいる前でそんなことは出来ん…。早く旅たつのだ!!妹よ!早く学校へ行け!俺を置いて先に行け! 「あっ…。ヤバイ!!こんな時間!お兄ちゃん、私先に行くね!!」 そうだ、早く行くんだ!!お前さえ居なくなれば…。 妹がリビングから出て五秒後、俺は新聞のラテ覧を光の速さでめくった。 「じゃ…邪魔物は居なくなった…。俺の…俺の時代がキター」 新聞を片手に机に脚を乗せ叫んだ。その時、ガチャ、とドアが開いた。 「何をしてるんすか…?」 「君は…。」 辺田君…。渦更木家の調査担当者である。新聞を片手に机に脚を乗せ叫んでいる時期跡継ぎを見た彼は、どう思ったのだろう。
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