逆の真実

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 俺は小学校、中学校ともに成績優秀。先生ウケが良い、俗にいう優等生というやつだった。しかし、それがあだとなり高校に入ってから、いじめにあっていた。  クラスの薄汚い男子に陰でいじめを受ける。これほど屈辱なことはその時の俺にはなかった。  最初は陰口程度だったが、いじめはだんだんとエスカレートしていった。靴を隠されるのはいつものこと、根も葉もないうわさを流されて、女子にねたまれ、先生には生徒室に呼ばれる始末だ。しかし、そのようないじめならまだ耐えることができた。しかし、ある日、テストの答案を集める際に、名前を消され、0点となった。  許せなかった。才能で勝ち取ったわけではない、努力で勝ち取った成績をむざむざと0点にされたのは、許せなかった。  このいじめは俺にとっては、これ以上にない仕打ちだった。  俺が何をしたわけではない。ただ、普通に生活してきただけだった。  もちろん、先生には潔癖を証言した。しかし、日々のデタラメなうわさが積み重なり、築いてきた信頼はなくなっていた。結果は、一週間の謹慎。  悲しくて、辛くて、悔しかった――
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