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凄く低い声が耳元で聞こえた。
凄く嫌な予感もする。
そして疑問が1つ。
何故、俺の耳元なんだ?
普通に考えれば言った本人の戒だろう。
「わぁ~、矢倉先生だぁ~!
噂をすれば何とやらってやつだね!気持ちわっ………。」
戒が何かを言おうとしたので睨んでやったら黙ってくれた。
良い子だ。
「眼鏡の美少年か…。
そして双子…楽しめそうだな。」
嫌な予感は的中するもんだ。
「…先生、何か用ですか?」
振り返れば至近距離に矢倉先生の顔があった。
それはそれは…鼻がくっつきそうな程に近い。
何故、俺なんだ?
やっぱり、普通は戒の方に行くだろう。
…そうか。鬼畜の考えは違うのか。
落としにくい奴を落とすのが楽しい。
冷静な奴の表情が歪んだのが見てみたい。
そんな考え方なら…俺の方に来るのも頷ける話だ。
…それなら…俺も何か手を打たなきゃならん。
「…っ!」
矢倉先生は驚いた顔をして走って行った。
「和…何したの?」
「困った顔して頬を赤らめただけだ。如何にも受けっぽくな。」
あんな露骨にやれば…少しは近付いて来ないだろう。
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