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しかも、貧乳……もとい悠奈という少女は、正座こそはしていたもの裸ではなかった
空中で土下座の体制へと移っていた僕はつい呟いた
「……絶壁?」
口が滑った。後悔はしている。反省はしていない。
と、思ったやさきに
「死ね!!」
ドスッ
「ぶべらばっ!」
空中に浮かんでいた僕の横っ腹に見事な回し蹴りが炸裂した。犯人は勿論貧乳少女だ。
2メートル位ぶっ飛んだ後、僕の体は床に落ちた。
イメージしていた土下座ではなく、体をうつぶせにした土下寝に進化していたのは偶然だ。
「……止めをさす!」
声が聴こえてきた瞬間一気に鳥肌がたった。
「ゴホッ、じ…じょ……うだ…ん…だ…よね?」
顔を挙げて聞いてみる。その時初めて相手の顔をしっかりと見れた。
身長は140センチ位。
髪は黒と茶が混じっていて背中まで伸びているが、肩から縛って長いポニーテールになっていた。
顔は小学生の幼い顔立ちに、一騎当千の戦国武将の凛々しさが身に付いているようだった。
つうか、………ぶっちゃけ炎髪灼眼のキャラににそっくりだった。
「うるさい!変態!今度こそ殺してやる!!」
そんなアニメのヒロイン似の少女に罵倒されたり殺されかけるのは、ある意味幸運かもしれない。
そんな事を考え始めていた。
完全に末期である。
「落ち着け、悠奈」
隣にいた男性、マゼンタ色のカメラを首から下げた男が止めに入ってくれた
「止めないで士。私はコイツを殺さなきゃいけないの!!」
「殺すとか言うな」
どうやらこの司っていう男性は常識を知っている人間のようだ。
「殺す機会なんてこの先いくらでもある。今、コイツに死なれたら俺の手間がかかるんだよ」
コイツも貧乳少女と同類かよ!
「…確かにそうね。どうせ殺すならキチンと殺す方が気分いいしね」
とても残念そうだった。でも必ず殺すと目で言っていた。
「さてと、じゃあ自己紹介をさせてもらうな」
男性はこちら向き、話し始めた。
「俺の名前は門矢 士(カドヤ ツカサ)」
その名前は聞いた事がある。確か平成ライダー10周年記念作品の……
「仮面ライダーディケイドだ。よろしくな」
……マジですか
「そして、HAPPYBirthday。今日がお前の新しい人生の1日めだ」
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