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「ロア…。」
「ん?」
思わず口付けて
“愛している”と
告げたくなる衝動を
優しく抱き寄せ直す事で堪え、
「明日も楽しい日になれば良いな…。」
「うんッ!!」
いつまで続けられるのか
分からない笑顔の日々を願う
イノリ
クロアの言葉。
「クロアは今日も一緒に寝てくれるのか?」
最初に夢を見た次の夜から
クロアと一緒に眠る事を
求めはじめたロア。
「もちろん。」
切実な懇願の眼差しで
見詰めるロアの頭を優しく撫で
クロアが了承すると
ロアは安堵の吐息を溢し、
「良かった。」
クロアに全身を委ねる。
一人で眠れない訳ではなかった。
ただ、
一人で眠って夢を視るのが
ロアはどうしても怖かった。
クロアが一緒に眠ってくれても
怖い夢は見続けるけれど…。
『大丈夫……だい…じょうぶ…。』
怖い夢の目覚めの後に
-コイビト-
クロアの温もりがあるだけで
『クロアが居れば………こわくない…。』
心が押し潰されてしまいそうな
恐怖に耐える事が出来ていた。
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