†巡†

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  「あの時、ロアに出逢えて良かった。」 初めてロアの姿を見た瞬間を 思い出しながら クロアが告げると、 「私も、クロアに会えて嬉しかった!」 ロアも笑顔で応える。 二人で共有できる過去の思い出。 それらを含め、 懐かしく語りながら過ごす、 穏やかな時間。 「疲れてないか?」 「うん、疲れてない。」 ロアの体調を気遣い、 そろそろ室内に戻る事を クロアが考えていると、 「ロア。」 離れたところから聞こえる 聖主の呼び声。 「あ、父上!!」 中庭に現れた 父、聖主の声に反応し、 放り向くと 「ーッ!?」 ロアは一瞬で息を詰め、 表情が強張り、 近付いて来る聖主と、 「兄上。」 その後の“セキル”から、 逃げるように数歩、 後退した。  
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