†兆†

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  だが、 時代が経つにつれ、 聖域を出た神族達と 一部の上位階級の天族達は 神気と聖気の割合が同じ 第5階層で暮らすうちに、 神気と聖気の両方を 糧に出来るようになり、 今では、 第5階層に住まう事の出来ない 極一部の神族と 神気を糧に出来ない天族を除き、 神族、天族共に、 聖界の全階層を自由に 往き来できるようになっていた。 聖域のみで育てられた為に その極一部の神族であるロア。 聖域を出る事が出来ても、 長期間の滞在ができるのは 神気の割合が聖域とほぼ同じの 第6階層まで、 短期間の滞在ならば 第5階層まで 聖主の許可が下りるが、 第4階層からは滞在には 時間の制限があり、 第2階層のスラム区では、 許可が下りたとしても 最大6時間。 それ以上は 神族であるロアの体が 持たなかった。 聖界の中ですら、 生きられる場が 限られてしまっているロア。 唯一、 長期間の滞在が出来る 第6階層は居住区ではない為に 私的な理由では立ち入れず、 留まる事のできる場が 聖域以外にはない為に クロアはロアを 聖域から連れ出す事が 出来なかった。  
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