†兆†

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  何より、 ロアが一度、 怯えた反応を見せてしまえば 無理に触れて来ようとはしない。 それがあるとすれば、 クロアの事が関わった場合だけ。 その理由が分からないロア。 『どうして…?』 セキルの言った、 “私は嫉妬深いみたいです。” と、言う言葉を思い出しながら ロアはセキルの事を考える。 『多分…それが分かれば…。』 セキルがロアに向けるに “嫉妬”を伴う思い。 その正体を知れば、 セキルに対する恐れを 無くせるのかも知れないと 考えながら歩くロア。 『恐いままでは…護れないし…。』 一体、何から護れば良いのか 分からなかったが、 思い出してしまった、 セキルに対する 兄としての気持ち。 だからと言って、 簡単には消えない恐れの心。 『本当は………思い出したくない…けど…。』 改めて思い出す事で 何かが変わるかも知れないと ロアは前向きな希望を 奮い立たせる。  
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