223人が本棚に入れています
本棚に追加
「兄上ッ!!」
「ロアッ!!」
セキルと
離れた位置に居た筈の
クロアの声に
はっとするロア。
いつの間にか
地に座り込んでいるロアを
クロアとセキルが両側から支え
真剣に見詰めていた。
「どうした!?」
鋭く訊ねるクロアの声。
「どこか怪我はありませんか!?」
緊張した面持ちのセキルの問い。
ロアは
そのどちらにも応えられず、
ただ茫然と、
たった今、視た、
白昼夢の相手を思い出す。
それは…、
ロアが最初に視た
記憶の夢に出てきた相手。
ロアを違う名前…、
[“リデア”]
と、呼んだ、
知らない筈の
“懐かしい面影の主”だった。
最初のコメントを投稿しよう!