†重†

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  ―“日が命を育む象徴なれば、月とは命を産み出す象徴。”― 創世の神の二番目の子として 生まれた弟に優しく語る兄の声。 ―“故に、お前は月色よ。”― 銀月の髪に白月の瞳の 自分の姿を ぼんやりと見詰める弟に 説明する言葉。 ―“名を与えて遣らねばの。”― まだ、何の感情も自我も無い 魂の器である体だけが 少年の年頃に成長した 名前すら無い弟に、 ―“リデア”― 個としての自我を与える為にも ―“お前の名は‘リデア’”― ―“りであ”― 名付けられた“名前” それが、 “神族の始祖”       ノチ       後の初代聖主。 “創造する者” “輪廻の魂の主”として、 産み出された“リデアの記憶” 現代に於いて、 “ロア・S・セイン”として、 生を受けた魂に刻み込まれた 始まりの記憶。  
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