†重†

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  「情けない話だが…私ではあの子の代理が精一杯だからね。」 ロアの前任の聖司官として、 業務を処理し、 指示を出せていても ロア自身が 他の官達へ与えていた信頼や 影響力までは補えないレティス。 何より、 僅か16歳で組織の長になり たった一年で、 長年、変えられなかった 組織の形態を より発展的なモノに 造り変えたロアの 上に立つ者としての 才覚や資質の違いを 誰もが解っているだけに、 レティスではどうにもならない 今の状況。 それを なんとか改善しなければと、 考えていたところでの クロアの登庁に 「私の力不足ですまないが、力を貸してもらえると助かる。」 他の官達を安心させ、 ロアの“聖司官”の地位を 護る為にも、 ロアの側近であるクロアに 協力を求める。 どの様な事であろうとも ロアの存在や名誉を護る事が 何よりも優先すべきである クロアは、 「ロア様の全てを御護りするのが、私の務めですので、気になさらないで下さい。」 そう、当然の事として レティスの申し出を受け入れ 主、ロアの、 聖司官と云う地位、 神殿と云う居場所を護る為に 聖司補佐官としての 行動を開始した。
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