†重†

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  「叔父上は何と?」 「承知済みだ。」 「父上は?」 「“お前の判断に任せる。”との返答だ。」 「………………………。」 漸く出てきた言葉でのやり取り。 既に セキルの実父である “聖主”にまで手を回し、 行動しているディフェルに ある種の感嘆に近い溜め息を 吐いてしまうセキル。 「小兄上…。」 「断るなら周囲が納得する恋人を連れて来い。」 暗黙的に セキルのロアに対する感情を 推し測り、牽制している ディフェルの言葉。 「では、兄上の件が片付くまで保留にさせていただきます。」 セキルは “判断を任せる。”と、言った 聖主の言葉を使い、 “保留”と云う応えで ディフェルの牽制をかわし、 今は互いに それ以上を追及する事なく、 普段と変わらない様子で その日の業務を開始した。  
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